施術内容

眼瞼下垂手術【保険診療】

眼瞼下垂症は目の症状(視野が狭い、目が重いなど)だけでなく、肩こりや頭痛、不眠の原因になります。

眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、まぶた(上瞼)を引き上げる仕組みの中で『どこかの部分』に異常が発生し、まぶた(上瞼)を上げたくても上がらない状態のことで、まぶたが垂れ下がり目が開けづらくなります。

眼瞼下垂症手術(保険診療)はこんな方が適応
  1. 手術適応基準を満たす方
  2. 術後合併症やリスクについて十分理解している
  3. 再発症例の方
  4. 整容目的では無いと十分に理解している方

眼瞼下垂症とは?

眼瞼下垂症の種類

先天性眼瞼下垂、後天性眼瞼下垂、偽眼瞼下垂があり、特に多いのは後天性眼瞼下垂です。加齢によるもの、ハードコンタクトの長期装用などが原因で多いですが、白内障・緑内障・硝子体手術を行った既往のある方にも多いとされています。

眼瞼下垂症の症状

眼瞼下垂症では『目を開けにくい』といった開瞼障害の他に多彩な症状が起こりえます。ただ、これら全ての症状が眼瞼下垂になればおこるわけではありません。

眼瞼下垂症の主な症状
  1. 開瞼障害・まぶたが重い
  2. 肩・頚こり
  3. 頭痛
  4. 睡眠障害
  5. めまい
  6. 自律神経失調
  7. 気分障害、不安障害
  8. 線維筋痛症
眼瞼下垂症の代償反応〜額のしわ

眼瞼下垂症になると、上げにくくなった状態のまぶたを無意識に助けようとする動きが生まれます。額の筋肉(前頭筋)が眉を上げ、眼瞼挙筋の働きを補助する様に作用します。
この場合、一見、たるみもなく眼瞼下垂症も存在しない状態になりますので、特に症状も気にならない方も多いと思われますが、眼瞼下垂症に伴って生じる付随症状(肩こり・頭痛・眼精精疲・不眠・眠たそうな印象)のほとんどが、前頭筋が代償性に眼瞼挙筋を補助する過緊張によって引き起こされるものだと言えます。

整容面の症状
  1. まぶたが黒目に覆いかぶさり黒目が欠けて見える
    →にらんで見える、目つきが悪いと言われる。
  2. 眉毛を上げて額にしわができる。
  3. アゴを突き出して物を見るようになる。
  4. 目の上がくぼんで見える。
  5. 二重の幅が広く見える。一重だったのが二重になった。
  6. 眠たそうな印象になる。

眼瞼下垂症の重症度

MRD−1(※黒目の中心と上まぶたとの距離数値)という指標が使われます。

正常 3.5mm以上と言われますが、加齢による変化や個人差を考慮して2.7mm以上が正常の下限と思われます。
軽度 MRD-1が2.7mm未満からまぶたが瞳孔(ひとみ)にかかる1.5mm前後まで
中程度 MRD-1は1.5mmを下回って-0.5㎜前後まで
重度 まぶた(上瞼)が瞳孔(ひとみ)をふさいだ状態(-0.5mm以下)
眼瞼下垂症の手術適応基準について

自分で手術適応と決めつけて来院される方がたくさんいらっしゃいますが、希望されたら全員手術とはなりません。また、どんな手術にも必ず術後合併症などのリスクがありますので、『手術をすることで期待される症状の回復』と『術後起こりうる合併症などのリスク』を比較し、前者が上回ると判断した場合に手術適応となります。

眼瞼下垂症の手術方法(保険診療)

挙筋前転術(切開式/非切開式)

瞼ラインに沿って1.5〜3cm程度皮膚を切開し、余剰皮膚があれば同時に切除します。また、経結膜下より皮膚を切らずに挙筋前転術をすることも可能ですので、切開をできるだけ避けたい方は適用かどうか判断が必要ですので一度ご相談ください。

リスク・合併症
内出血、腫れ、感染、傷、左右差、ドライアイ、異物感

弛緩性眼瞼下垂症に対して余剰皮膚切除術〜眉下切開〜

まぶた(上瞼)を引き上げる仕組みの中で『どこかの部分』に異常が発生し、眼瞼下垂症と言われる様になりますが、皮膚のみの問題(加齢によりまぶたの皮膚が垂れ下がって、視界をさえぎっている状態)で目が開けづらくなります。
重瞼ライン、もしくは眉毛下に沿って皮膚を切開し、余剰皮膚を切除します。

リスク・副作用
内出血、腫れ、感染、傷、左右差、ドライアイ、異物感など

施術後の注意事項

所要時間:両眼30〜60分程度

  1. 当日は飲酒や激しい運動は避けてください。
  2. 洗顔やお化粧は翌日から可能ですが、傷部分は抜糸後3日まで控えてください。
  3. 傷は二重ラインや眉下に隠れるように縫合しますが、ゼロにはなりません。
  4. 元々の骨格や眉毛挙上の有無などが左右差の原因になる事があります。
  5. 強くこする等は控えて下さい。稀に二重ラインが固定化する前に消失する可能性があります。
  6. 内出血、腫脹、血腫、感染、ドライアイ、瘢痕、ケロイド、色素沈着、硬さ、左右差、兎眼、複視などが 起こることがあります。
  7. 自然な目元になる様に細心の注意を払いますが、原則として、保険診療手術は整容目的手術ではありませんから、たるみや二重幅などに対する要望の全てに配慮はできかねますことはご理解ください。

よくある質問

眼瞼下垂症手術は保険で治療できますか?

お困りの症状や開瞼の状態など、適用基準を満たす場合は保険診療となります。但し、保険診療による眼瞼下垂症手術は機能改善目的であり、整容目的ではありません。整容目的の方は原則保険適用外です。症状や状態などを診察し、医師が適用を判断しますので、ご希望がある方はご相談下さい。

眼瞼下垂の症状はないのですが、眼瞼下垂の手術をして目を大きくすることは出来ますか?

眼瞼下垂症手術で目の開きを大きくして、黒目の見える範囲を大きくすることは可能です。整容目的となりますので、保険治療の対象にはなりません。

診察当日の施術は可能ですか?

当日の施術はお受けしていません。

ダウンタイムはどれくらいですが?

1〜2週間程度とお考えください。

治療中に痛みはありますか?

局所麻酔時の痛みがあります。もし手術中に痛みがあった場合は麻酔を随時追加します。

傷跡は目立ちますか?

傷はしばらく赤みがありますが、二重ラインや眉下に沿った傷なので目立ちません。1〜3ヶ月程度でほとんど目立たなくなります。

メイクはいつから可能ですか?

創部のメイクは抜糸後3日後以降より可能です。創部以外は手術当日からメイク可能です。

眼瞼下垂症は両目同時に起こりますか?

片側のみの方もおられますし、両側眼瞼下垂症の方もおられます。

腫れを早く改善する方法を教えてください。

クーリングすること、頭を心臓より高く保つこと、血圧の上昇を避けること、なるべく安静にすること。

参考施術料金

眼瞼下垂手術(片側) 21,600円
眼瞼下垂手術(両側) 43,200円

※眼瞼挙筋前転法の自己負担額(手術費用のみ・3割負担の場合)
※片側72,000円・両側144,000円が手術費用の場合の3割負担額で計算しています。
※全て税込価格です。