施術内容

アポクリン腺

腋臭症とは、わきから特異な悪臭を放つ症状を言い、「わきが」とも呼ばれ、思春期以降に症状が強く発現すると言われています。わきには２種類の汗腺があり、腋臭症（わきが）の原因となる汗はアポクリン腺から分泌される脂質・タンパク質の多い汗です。これが皮膚表面の細菌により分解され独特のにおいを発し、衣服が黄ばむ原因ともなります。遺伝や性ホルモンの関与、毛量や精神的素因も関係していると言われています。

エクリン腺

また、わきのもう一つの汗腺はエクリン腺と呼ばれ、無臭でさらさらの汗が分泌されます。エクリン腺汗の腋臭症（わきが）症状への関わりとしては、その揮発性の高さからわきの臭いを遠くまで運ぶ役割を果たしています。一般によく『汗臭い』という言葉を使いますが、腋臭症（わきが）のアポクリン腺汗による『わき臭い』と全身のエクリン腺汗による『汗臭い』は異なりますのでご注意ください。これを混同してしまうと腋臭症（わきが）の治療によって汗をゼロにしないと気が済まなくなります。

１問診

お悩みの症状や家族歴、治療歴について問診を取ります。

２ガーゼテスト

診断にはガーゼテストを行いますので、わきにガーゼをはさんでもらいます。

３治療説明

腋臭症（わきが）の各治療法についてメリットとデメリットについて説明していきます。

• 皮弁法（保険診療）
• 外用薬処方（自費・保険診療）
• ボトックス注射（自費）
• レーザー脱毛（自費）
• ミラドライ（自費）
• 希望があればその他手術クアドラカット法・イナバ法（自費）

４手術日程決定

ガーゼテストにて中等度（鼻を近づけなくても臭うレベル）以上の場合、皮弁法手術にを希望すれば同意書を作成し、手術日程を決定していきます。
ガーゼテストにて軽度（鼻を近づけて臭うレベル）の場合は臭いの質を判断します。顔を背けるようなレベルの臭いがあっても、横にいるだけでは臭いがわからない方もいますので、臭いがきつい方は手術適応です。また、臭いが比較的軽度であっても『手術をすることで期待される症状の回復』と『術後起こりうる合併症などのリスク』を比較し、前者が上回ると判断した場合に手術適応とさせていただいております。医師が手術適応と判断し、かつ皮弁法手術を希望すれば同意書を作成し、手術日程を決定していきます。

3～5cm皮膚切開し、皮膚を反転させるために皮下の剥離を進め、腋臭症（わきが）の原因であるアポクリン腺を直接目で確認しながら剪刀（ハサミ）を用いて除去していきます。臭いをかなり減らすことができますので、結果として『臭いを無くすこと』が可能な治療です。

腋臭症手術（皮弁法）の概要

麻酔	局所麻酔
所要時間	両脇60〜90分程度
洗顔・シャワー	翌日より胸から下シャワーは可です。創部は濡らさない様にしてください。 手術後、1週間の圧迫固定が必要です。

適応

• 可能な限り一回で効果の高い治療をしたい
• 術後合併症やリスクについて十分理解している
• 再発症例の方
• ボトックス注射のような治療では満足しなかった方

リスク・副作用

術後に傷が目立たない様に細心の注意を払いますが、術後合併症として瘢痕、ケロイド、色素沈着、硬さ、つっぱり感、皮膚壊死などの可能性はあります。手術による治療を希望される方はご相談ください。

• 内出血・腫脹
• し開・縫合不全
• 引きつれ・つっぱり感
• 硬さ
• 色素沈着
• 創部感染
• 知覚鈍麻
• 瘢痕・ケロイド
• 皮膚壊死
• 再発

※手術費用のみ、3割負担の場合