豊胸術(乳房増大術)
事前の準備で結果が左右されるのが豊胸術
乳房増大術(豊胸術)にはインプラント(豊胸バッグ)、脂肪移植、フィラー(ヒアルロン酸)による治療があります。それぞれメリットとデメリットがありますので、それらを十分理解した上で自分に合った治療法の選択をしてください。
- こんな方におすすめ
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- 乳房を大きくしたい
- 胸のハリが欲しい
- 乳房の形を整えたい
- 少しだけ大きくしたい
- 自分の脂肪で豊胸したい
- 手軽にしたい
- 術後が管理しやすい治療が良い
インプラント豊胸術
乳腺下、または大胸筋下にインプラント(豊胸バッグ/人工乳房)を挿入する方法です。わきのしわ、もしくは乳房下線に沿って3〜3.5cmの切開が必要で、傷はシワに沿って綺麗に縫合するので目立ちません。また、希望の大きさに対して、元々の乳房の大きさや乳房下垂の有無、皮下脂肪の厚み、乳頭の位置などをみて適切な大きさや形のインプラントを決め、インプラントのサイズも複数用意して治療に入ります。
※使用するインプラントはMOTIVAを主に多数取り揃えております。
切開部位
- 乳房下溝
- ブラジャのワイヤーが当たる場所。乳房とお腹の境界線です。この箇所は温泉に行っても乳房で隠れますし、海に行っても水着で隠れます。当然下着で隠れます。わきの方が隠れやすいと思われる方もいるかもしれませんが、わきの傷はノースリーブを着ると見えます。仰向けに寝転んだ際に見えやすい欠点がありますが、当院では乳房下溝を第一選択としています。術野が近いため、丁寧な剥離操作や確実な止血が可能ですので、仕上がりに直結するからです。
- 腋窩
- 脇のしわに沿って切開します。比較的目立ちにくいのと、胸から離れたところに傷がつくので豊胸術をしたことを隠したいという『思いが強い』方に選ばれる切開です。『脇の傷だからばれないよ』と言って、豊胸術を勧めやすいという背景もあるかもしれません。ただ、胸から遠いという事が手術結果に及ぼす影響は大きいと我々は考えております。特に重視したいのは止血です。手術中に出血しやすい場所は乳房の下方に多く、出血箇所が遠い=止血が確実ではなくなる確率が増すわけですから、トラブルが出現する確率は乳房下溝切開よりも高いと考えます。
挿入位置
豊胸インプラントを挿入する位置(深さ)は大きく分けて、乳腺下と大胸筋下があります。豊胸インプラントを挿入する位置(深さ)は、ご希望を聞いて決めていきますが、自然な仕上がりとなる乳腺下を第一選択としています。
- 大胸筋下
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メリット 大胸筋下は下から豊胸インプラント、大胸筋、乳腺、脂肪、皮膚という順になります。豊胸インプラントを大胸筋がカバーするので、感染に強く、豊胸インプラントが触れる事が少ない。また、豊胸インプラントの立ち上がりの縁部分が不自然に見えない。 デメリット 動きの少ない胸になる。
※もともと乳房が小さい方は大胸筋の下に入れた方が良い場合がある。
- 腋窩
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メリット 本来乳腺は大胸筋の上にあるものです。豊胸インプラント=人工乳腺と言われますので、乳腺の位置に豊胸インプラントを入れて補ってあげるのが自然な考えとなります。乳腺下では動きのある自然な仕上がりが期待できます。 デメリット 大胸筋下のメリットの逆となります。
※自然な仕上がりや動きを求める場合、乳腺下に入れた方が良い場合がある。
脂肪注入豊胸術(CRF・ピュアグラフト)
当院では一度に多くの脂肪を注入しないことを治療方針としています脂肪注入豊胸では術後のリスク(しこりや嚢胞など)を極力避けるため、注入脂肪は重複を避けて移植することが求められ、一度に多くの脂肪を移植すると、これに逆行してしまいます。特に、元々小さな乳房の方は移植する側のスペースにも限りがありますので、1回の治療で移植する脂肪は片側80〜100ccを限度としています。※手術が短時間で終わり、身体の負担が少なくなるメリットもあります。
(1)CRF
アメリカFDA(日本の厚生労働省に該当)の認可を受けた機器LIPOMAX-SC(コンデンリッチファット/CRF)で、採取した脂肪を外気に触れないまま遠心分離にかけ、死活・老化細胞や細胞破片などの不純物を可能な限り除去して、できるだけ細かく乳房に移植していきます。
(2)ピュアグラフト
ピュアグラフトは採取した脂肪を専用のフィルターに通して不純物を取り除き、大量の生理食塩水による採取した脂肪の洗浄が可能なため、清潔で生着しやすい脂肪を採取することが可能です。アメリカの論文ではCRFよりも生着率が高いとの報告もあります。
ヒアルロン酸による豊胸術
ヒアルロン酸は元々体内に存在するムコ多糖類で、高い水分保持能によって肌のみずみずしさをキープする役目を担う物質です。美容医療では、このヒアルロン酸を1〜2年程度吸収されないように架橋して製剤化したものを主にほうれい線や目の下、眉間、額などのしわの他、涙袋形成や鼻、あごなどに注射して、シワを減らしたり、鼻を高くしたり、顎の形を整えるなどの用途で使用します。注射による施術のため、気軽に受けることができて、ダウンタイムが少なく、その場で効果が実感できる人気の施術ですので、多くの施設でも豊胸目的で使用されてきましたが、日本美容外科学会が作成したガイドラインでは現在、推奨されない施術の一つとなっています。そのため、施術を受ける場合には十分にリスクを理解した上で施術を受けることが重要です。当院では、ヒアルロン酸豊胸術(ヒアルロン酸による乳房増大術)を積極的にすることはございませんが、それ以外に選択肢がなく、当院で施術をしなければ他院で必ず施術を受けるという患者さんに限り施術をお受けすることがありますのでご相談ください。ヒアルロン酸注入による豊胸術は術後管理しやすい(除去できる)状態に留めることが重要と考えています。
フィラー(ヒアルロン酸やアクアフィリング)豊胸術後の除去手術
乳房にヒアルロン酸やアクアフィリング(アクアリフト)を注入した後に、「硬さを感じる」、「シコリが気になる」、「急に腫れてきた」、「感染がおこった」、「下腹部に移動してきた」といった症状を訴える患者さんが増えています。お困りの方はご相談ください。治療方針はヒアルロン酸とアクアフィリング(アクアリフト)では異なりますが、共に完全に100%取り除くことが難しいと考えるのが適切です。
(1)ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は注射で抜くことが可能です。また溶解剤を注射して溶かすことが可能です。ただ、ヒアルロン酸が細かく数珠状に入れられていたり、筋肉内や筋肉下に注入されている場合は外科的な除去も必要となることがあります。
(2)アクアフィリング(アクアリフト)
アクアフィリング(アクアリフト)は原則外科治療となります。
施術時間
インプラント豊胸術 | 40〜60分 |
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脂肪注入豊胸術(CRF) | 90〜120分 |
フィラー(ヒアルロン酸)豊胸術 | 20分 |
合併症と注意事項
- 傷は脇・乳房下に約3~4cmできます。目立たないように丁寧に縫合しますが、肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があります。
- 内出血や乳頭乳輪などの知覚鈍麻が起こる可能性があります。
- 内出血がつよく出た場合、血種といわれる血液のかたまりになり、腫れや痛み、硬さが強くでることがあります。血腫が吸収されるまで時間がかかります。
- 被膜拘縮の可能性があります。豊胸インプラントは身体にとって異物ですが、被膜を作って境界を作ることで共存を可能にしています。この被膜は多くの場合は問題にならないのですが、体質や術中の止血操作が不十分だと被膜は分厚くなります。分厚くなると被膜内部の豊胸インプラントが縮みこむので、固く触れるだけでなく、ひどい場合には変形したり、破損してしまうことがあります。また、拘縮がなくても豊胸インプラントは経年劣化する事があります。
- 術後、バンドによる固定が必要です。圧迫(バストバンド)は、医師の指示があるまではずさないで下さい。また、ワイヤー付ブラジャーは3か月厳禁です。
- 感染・出血・血種・傷が開く・知覚鈍麻・ケロイドのリスクがあります。
- 豊胸インプラントが異物感として罪悪感を感じる場合があります。
- 触れた感覚が不自然に感じることがあります。
- 術後に感染がおこる場合があります。その場合、基本豊胸インプラントの抜去が必要です。所定の費用(合併症発症後、バッグ抜去のみ15万円、再挿入(抜去込み)25万円)はかかります。
- 抜糸が必要です。
- 手術当日は出血予防のため、できるだけ安静にしてください。
- 手術翌日よりシャワーを浴びていただけますが、入浴は控えてください。
- 手術部位は軽く洗浄後、軟膏を塗り絆創膏もしくはテープを貼付してください。
- 術後は腫脹や内出血を生じる場合があり、また痛みが伴われることもありますが、いずれも時間経過にて徐々に改善します また、手術経過によっては手術部位の保護の為、テープの使用をお願いする場合があります。
- 創部は少し盛り上げた状態で縫合しています。最終的な創をできるだけ目立たないものにするための縫合によるものです。
- 術後約1ヶ月程度で創部に色素沈着を生じることがあります。いずれも自然な術後の経過によるものであり、時間経過にて少しずつ改善します。
- 人間の体は、若干左右の違いがあるものです。バックを入れると左右の大きさ、形が強調されることがあります。
- 乳がんなどの不安が強い方はそもそもリスクなどについてよく検討してください。インプラントによってリンパ腫などの発生報告もありますが、現状ではテクスチャードタイプを使用した場合(表面がザラザラ)でのみ発生していますので、今後はしばらくスムースタイプの豊胸インプラントを使用しての施術となります。万が一、挿入後に不安になった場合も抜去は可能です(手術費用25万円がかかります)。
- リンパ腫は被膜内部にリンパ液が溜まり、腫れますので、痛みも伴いますし、放置すると重症化する危険性があります。万が一起こってしまった場合は、豊胸インプラントを取り除き、被膜を除去することで治癒するとされています。定期的な検診をぜひともお勧めします。
施術料金
ピュアグラフト脂肪注入豊胸(両胸200cc脂肪) | 605,000円 |
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ヒアルロン酸豊胸(1ccあたり) | 単回ずつの場合 2,750円 |
ヒアルロン酸豊胸除去
アクアフィリング豊胸除去 |
55,000円~1,100,000円 |
インプラント挿入(豊胸バッグ)乳房下溝切開 ※MOTIVAは+165,000円 |
495,000円 |
インプラント(豊胸バッグ)他院バッグ抜去 | 275,000円 |
CRF豊胸(両胸200cc脂肪) | 605,000円 |
脂肪注入豊胸(注入脂肪追加の場合) | ご相談ください |
【オプション】全身麻酔 | +150,000円 |
※全て税込価格です。