下肢静脈瘤とは?
こんな症状はありませんか?
下肢静脈瘤かもしれません
- 下肢静脈瘤の症状
-
- あしがむくむ
- あしが重く、だるい
- あしの皮膚が茶色くなった
- あしがかゆい
- あしがよくつる。こむら返り
- あしが疲れやすいと感じる
- あしの血管がこぶの様に膨らんで気になる
- あしの血管が浮き上がって気になる
数多くの症例を治療してきた下肢静脈瘤の専門家だから、一人一人の症状に合わせた対応が可能です。診察の結果と患者様の症状やご希望をお聞きした上で、治療の可否をご相談致します。
下肢静脈瘤とは?
血液は心臓の力で全身に送られ、また心臓へと戻っていきます。足先まで流れた血液を心臓まで戻すために、足の運動がポンプの役割を果たして送り返す力を補助しています。血液が重力によって下の方に引っ張られて逆流しないよう静脈には血液の逆流を防ぐためのバルブ(逆流防止弁) がついており、血液の正常な流れがサポートされています。
しかし、これが壊れると血液が逆流して膝の下の方に溜まってしまい静脈が膨らんでやがて瘤ができてきます。これが下肢静脈瘤です。足のだるさ、こむら返り、痛み、むくみなどの症状が現れ、進行すると皮膚炎や潰瘍形成に至る場合もあります。この膨らんだ静脈瘤が見た目以外で問題を起こす事はほとんどないですが、長年蓄積した老廃物のために症状が進行していくのは確実であり適切な治療が必要になります。
正常な下肢静脈と下肢静脈瘤の違い
- 正常な下肢静脈の働きと血液が流れる方向
-
静脈は身体に酸素や栄養を供給した後の(酸素が少ない・老廃物のたまった)血液を心臓に戻すことが役割です。下肢では心臓に向かって下から上に流れますので、下方向へ逆流しないように逆流防止弁が備わっています。
- 下肢静脈瘤の血液が流れる方向
-
下肢静脈瘤では遺伝や妊娠・出産、長時間の立ち仕事などが原因となって、逆流防止弁が壊れ血液が下向きに逆流していますので、様々な問題が発生します。
①容量増加
逆流によって“血液が足にたまり、容量が増える”事で静脈が風船のようにふくれて『瘤 (こぶ)』になり、『むくみ』の原因になります。②老廃物
酸素が少なく、老廃物の多い血液が逆流によって足にとどまるため、筋肉や皮膚に負担がかかって『だるさ』や『こむら返り』、『色素沈着』や『皮膚炎』、『潰瘍』などの原因になります。
下肢静脈の主な症状
下肢静脈瘤では、主に下記のような症状が現れます。
- 下肢静脈瘤の症状
-
- あしがむくむ
- あしが重く、だるい
- あしの皮膚が茶色くなった
- あしがかゆい
- あしがよくつる。こむら返り
- あしが疲れやすいと感じる
- あしの血管がこぶの様に膨らんで気になる
- あしの血管が浮き上がって気になる
疲れやすさやむくみ、痛みだけでなく皮膚に症状が現れることもあるのが下肢静脈瘤の特徴です。足がつるなどの初期症状があり、その後病気が進行して初期症状が消えてしまうケースもよくあります。
初期症状がなくなり無症状になるのは治ったわけではなく、水面下では進行している場合があります。深い部分の静脈まで痛めてしまう可能性が高いのでご相談・検査をお勧めいたします。
下肢静脈のリスクを高める素因
下肢静脈瘤では、主に下記のような症状が現れます。
- 性別
- 女性。女性ホルモンには静脈が広がりやすくする作用があります。
- 年齢
- 逆流した老廃物がより蓄積すると重症化します。75歳以上の方の75%は下肢静脈瘤になっているとデータがあります。
- 遺伝
- 血縁者に静脈瘤の方がいらっしゃると半分以上の方が罹患します。両親の家系が静脈瘤なら90%の方が発症します。
- 妊娠、肥満
- 女性ホルモンが大量かつ持続的に分泌する事、おなかの圧力が上がる事で血管が広がりやすくなります。また、脂肪には女性ホルモン類似物質が蓄積されるためそれ自体がリスクになります。
- 立ち仕事、座り仕事
- 男女問わず事務仕事、立ち仕事は下肢静脈瘤の誘因となります。
下肢静脈の主な原因
- 妊娠・出産
- 妊娠中には、血管を拡張するプロゲステロンという黄体ホルモンが活発に分泌されます。また胎児による圧迫があるので静脈の逆流を止めるためのバルブ(逆流防止弁)が壊れやすく下肢静脈瘤になる可能性があります。第二子以降の妊娠は特に発症しやすい傾向があります。
- 立ち仕事・デスクワーク
- 長時間の立ち仕事では、血液が下肢に滞留しやすいので下肢静脈瘤になりやすい傾向があります。デスクワークでも座ったままのことが多く、心臓へ血液を戻すポンプの役割を果たすふくらはぎの筋肉が動かず血液の滞留し下肢静脈瘤のリスクが高まります。
- 加齢
- 逆流防止弁の働きは加齢とともに弱まります。年齢と共に歩いたり運動したりといった機会が減り、それが下肢静脈瘤発症につながります。年齢では40代以上からの発症率が高くなっています。
- 遺伝
- 血縁者に下肢静脈瘤を患った人がいる場合、静脈のバルブ(逆流防止弁)が弱いといった下肢静脈瘤になりやすい体質を持っている可能性が高くなります。
- 女性
- 血液を心臓に戻すポンプの役割を担うふくらはぎは男性に比べ女性の筋肉量が少なく妊娠や出産が高リスクとなっているため、女性は下肢静脈瘤になりやすい傾向にあり、男性の約2倍の罹患率だと言われています。
- 生活習慣病
- 血液中の脂質やコレステロール、中性脂肪の値が高くなると血管に負担がかかります。一般的には動脈硬化への影響が有名ですが、静脈にも影響し負担がかかっています。そのため、高血圧などの生活習慣病がある方、そして肥満、便秘、運動不足の方は下肢静脈瘤になりやすいと言われています。
こうした原因や症状、患者様の生活に応じた治療法や予防法がいろいろあります。
下肢静脈瘤の種類
伏在静脈瘤
伏在静脈瘤は、足の静脈にある血液の逆流をふせぐ「弁」がこわれてしまい、血液が逆流し、足に滞ることで血管が拡大して発症する種類の下肢静脈瘤です。発症すると、足が痛む、だるくなる、重くなる、ひどくむくむ、つりやすくなったりします。
これらの症状があらわれるようになり、治療を放置してしまうと、症状が悪化すると湿疹ができたり、かゆみがともなったり。皮膚炎症や色素沈着などの問題が発生することもあります。伏在静脈瘤には「大伏在静脈瘤」「小伏在静脈瘤」の2つの種類があり、種類毎に症状がことなります。
発症例がもっともおおいと言われている下肢静脈瘤が、この「大伏在静脈瘤」です。足のつけ根部分にある静脈の弁がこわれることで発症します。大伏在静脈瘤はひざの内側に静脈瘤の症状があらわれる場合がおおいです。
小伏在静脈瘤は比較的発症することのすくない静脈瘤です。ひざのうしろにある静脈の弁がこわれることで発症します。静脈瘤の症状はふくらはぎに現れる場合がおおいです。
側枝静脈瘤
側枝静脈瘤は伏在静脈本幹には静脈瘤や静脈逆流が見られず、足の血管の末端の静脈で逆流防止弁が壊れることで発症します。
伏在静脈などから枝分かれした短い静脈(側枝)が拡張した静脈瘤で、膝より下の部分に比較的多く発症みられます。妊娠出産時にみられる陰部静脈瘤も同様で、ふともものうらから膝裏あたりまでこぶが広がる事もあります。治療としては原因となった不全交通枝を外科的に切断するか、瘤切除術(スタブアバルジョン)、硬化療法が行われます。
伏在静脈瘤よりも細い血管で起こるため血液の滞留量が少なく、範囲も狭いため症状は軽いケースが多く症状により気づく人が少ないのが特徴で、膝周辺の裏側や太腿、ふくらはぎに静脈瘤ができることが多く、大伏在静脈の分枝部分の弁不全や不全穿通枝と言われる静脈が機能不全になって逆流を起こすことが原因とされています。
この他、骨盤内の静脈(内腸骨静脈)の逆流も原因として挙げられますが、下肢静脈瘤の中では珍しい部類になります。
側枝静脈瘤は伏在静脈瘤と併発する場合と単独でできる場合があり、比較的併発することが多いため、伏在静脈瘤を見落としていないかよく確かめる必要があります。
網目状静脈瘤
皮膚直下にある小さな静脈が拡張したもので直径2〜3mmの細い静脈が網目状に広がって見え、よく見られる場所は太もも外側から裏面、膝裏などで鮮明な青色も特徴のひとつです。
クモの巣状静脈瘤
直径0. 1〜1.0mmという極めて細い血管が皮膚直下で拡張したものはクモの巣状静脈瘤と呼ばれ、盛り上がりが少なく赤紫色であるという特徴を持っています。
クモの巣状の毛細血管はコブではないので、実は瘤ではありませんが、日本では静脈瘤として分類していますが、正確には毛細血管拡張症といいます。